【税理士試験】条文暗記は不要?競争試験であることを意識する。


気付けば、9月も終わりです。税理士試験の新年度が開講してから1か月が経ちます。

税理士試験とは切っても切り離せない「条文の暗記」ですが、これって必要なのでしょうか。

資格の学校TACで、法人税法の答案添削のアルバイトをしていた経験から考えてみます。

 

税理士試験における理論解答のセオリー

まず、そもそも税理士試験では、なぜ条文の暗記が必要なのでしょうか。

計算のみの簿記論を除けば、問題は理論と計算から構成されます。

そして、理論は罫線のみが引かれた解答用紙に答案を書いていかなければなりません。

(科目や年度によって出題の形式が違うため、すべての科目に該当するわけではありません。)

そのため、自分で答案のレイアウトを考える必要があるわけですが、

TACの方針としては、理論は以下のように展開していくよう指導されます。

1.結論

2.条文等の根拠規定

3.問題の条文への当てはめ

 

具体例でみる理論の解答

それでは、具体的にみていきましょう。

仮に、以下のような問題が出題されたとします。

問:82円切手を購入した場合の法人税法の取り扱いを答えよ。

TACの方針に照らして解答する場合には、以下のような流れになります。

 

1.結論     当期の損金の額に算入する。

2.規定     法人税法第22条第3項第二号(試験ではここをべた書きします)

3.当てはめ   切手は通信費として販管費となるため、82円は当期の損金となる。

ここで、「2.規定」を記載するために、条文の暗記が必要になっているのです。

 

上位10%”しか”合格しないことを意識する

過去には、「法人税法第●●条を書きなさい」といったナンセンスな出題がされていたようですが、

最近の本試験では、そのようないわゆる「べた書き」の問題は考えられなくなりました。

実際に、2017年8月に実施された法人税法の問題は、解答欄を指定された個別問題の形式でした。

ならば、もう条文の暗記は不要ではないか!と考えられるかもしれません。

しかし、税理士試験は上位10%しか合格しない競争試験であることも忘れてはいけません。

 

どれくらいの人が暗記しているのか?

私は、1年間TACで法人税法の通信受講生の方の答案を添削してきました。

正確な統計を取ったわけではありませんが、大体8割ぐらいの方は条文に即した答案を作成します。

残りの方は、自分の言葉で表現しようとしていますが、8割の中でのこれらの答案は非常に目立ちます。

ましてや、条文の言い回しは独特です。1年や2年の学習で自分の言葉に落とし込むのは至難の業です。

複数年かかることを考慮して暗記を捨てるよりも、覚悟を決めて暗記した方が合格への近道かもしれません。

 

まとめ

ネットでは、暗記は不要とする意見を散見しますが、リアルの受験生で会ったことはありません。

少なくとも私の周りの受験生は、みな必死に暗記をして試験を突破してきました。

また、暗記するとお客様から急に質問を受けたときにも、該当の条文がスッと出てきてご案内できることもあります。

泥臭い仕事が多く、忘れがちになるのですが、税理士の仕事は法律行為です。

条文や通達にがっつり向き合う時間は、意外に重要かもしれません。

 

【編集後記】

ブログのトップページの画像を更新してみました。

場所は、立川の昭和記念公園です。新宿から中央特快で26分と近くておすすめです。