「借入金の適正額はいくら」という質問と求められている回答


前回のエントリーに引き続き、中小企業をメインターゲットにした場合に想定される質問について考えてみました。

 

借入金は事業にスピード感を与えるもの

最近、借入金の相談を複数回受けました。といっても融資などの新規の資金調達ではなく、現在の借入についてです。

借入金を積極的に活用する社長、仕方なく借入をするけれど余剰資金(と呼べるほど貯まっていないことが多い)ができたらすぐに繰上返済するほど借入金に消極的な社長。

一般的に、借入をすることで手金のみでは購入できない設備投資ができ、事業のスピードを速めることができます。

機会損失を防ぐことで、事業の効果的な拡大も見込めます。

一方で、業績に応じて銀行も手の平を返すので、いずれのタイプの社長も自社の借入の状態は適正なのかを気にされます。

 

適正額をあえて言うなら

実は、前述の「自社の借入の適正額はいくらか」という質問は回答に窮します。

ネットで少し検索すると、月商を基準にしていたり、流動比率など小難しい指標で適正額を算出しています。

参考になるのは、京都の税理士佐竹正浩さんのブログ記事です。

「税引後利益+減価償却費」と返済額の関係で適正額を考えるとありました。

税引後利益に現金支出を伴わない減価償却費を足し戻せば、理論的には当期に稼いだお金になります。

それが返済可能な金額になるわけですから、年間返済額と比較して検討するということだそうです。

私も、質問を受けた際には、この発想で会社の数値から理論値を算出して提案しています。

 

具体的な金額が知りたいわけではない?

しかし、社長たちが必ずしも具体的な金額を知りたいわけではないとも考えています。

社長ごとに経理や数字に対する感受性は様々ですが、借入はどれくらいという質問の際も、肌感覚でこのぐらいという感覚は持っておられます。

相手は社長ですから経営のプロではあっても、経理には不安を持っているということが往々にしてあると思います。

彼らは経理のプロとしての立場である会計事務所の人間に、お墨付きをもらって意思決定の背中を押してもらいたいと思っているのではないでしょうか。

最近受けた質問から、会計事務所に求められているニーズについて考えてみました。

 

 

【編集後記】

数字の話をするのが仕事なので大切ですが、相手の懐に飛び込む雑談力に加えて、安心させてあげる対話術などもスキルとして必要だと感じています。

 

【一日一新】

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