税務調査における「国税OB税理士」の影響力はあるのか?


先日まで、担当していた会社に税務調査が入っていました。

以前から調査の際には、老齢の国税出身の税理士にも立ち会いを依頼しているようです。

初めて、いわゆる「国税OB税理士」の立ち合いによる調査を経験しましたが、

噂に聞いていたOB神話を目の当たりにしました。

 

数字で見る税理士の分布

会社つまりお客様から見た場合、どういうルートで税理士になるかどうかは無関係です。

どういうサービスを提供してくれるかどうかが重要でしょう。

という前提があったうえで、日本税理士会連合会が作成しているパンフレット「税理士って?一生の仕事を探すなら」を見てみます。

税理士となった資格の割合は、以下のようになっているようです。

「税理士って?一生の仕事を探すなら」より引用

この統計は、平成26年1月1日時点の32,747人が対象となっています。

大学院による試験免除が多いのと、官公署出身である特試合格者が少ないのが意外でした。

 

国税OBの天下り先となっている税理士?

同パンフレットから、もうひとつ統計を見てみます。

税理士の年齢層です。

60歳代以上が、なんと53.8%!!40歳代でもまだまだ若手になります。

私は、国税OB税理士に対してネガティブな印象を持っていました。

税務署等で一定期間勤務された方が、税理士資格を付与されて独立することで平均年齢を押し上げています。

さらに、試験合格者が割を食っていると思っていたからです。

(合格者が毎年1,000人前後しかでないのは、退官する国税OBとの人数調整によるという都市伝説がある)

 

スペシャリストとしての希少性

税務職員は、税務大学校でたたき上げられ、その後は特定の税目を極めていきます。

例えば、法人税・所得税・相続税だけでなく、印紙税を担当してそれに専科していくのです。

あらゆる税目をオールマイティに網羅する必要のある税理士とは、大きく異なります。

どんなに業務が細分化されたとしても、税理士であればそこまで特化するのは難しいでしょう。

ある税目のスペシャリストという点で、業界での希少性は高くなります。

 

税務調査で放つ存在感

今回の調査で、国税OB税理士は存在感を放っていました。

見解の相違があった論点も、当のOBがすごんだ(というと語弊がありますが…)ことで

立ち消えになりました。法令に基づいた議論が行われた末です、念のため。

いまはむかし、「国税OB税理士が申告書にハンコを押していれば税務調査は来ない」という話を

聞いたことがあります。

現在ではそんなことはないと思いますが、元上司という立場は調査官に何かしらの「政治力」を与えていると邪推されてもおかしくはありません。

何より、相手の立場を経験しているというのは大きなアドバンテージです。

税理士は、税務署内部でどういうプロセスを経て審理されているかは経験できないですから。

 

まとめ

税務調査は、国税OB税理士でなくても順法な処理と対応で是認通知(指摘なし)を勝ち取れます。

しかし、今回だけでなく、前職でも同様の経験があり、まだまだ会社側の国税OBへの信頼の厚さを感じました。

ただ、長期間の税務行政に携わってきた経験ですから、税法への理解の深度や調査官へのアプローチなど

参考になるところは多々ありました。

お客様側から、「さすが国税OB」と思われないように純粋培養の税理士も研鑽を積むことが必要ですね。

 

【編集後記】

週末は、同業の方のホームページを見漁っていました。

形式や記載など考えることが多いです…><