「どっちがお得」論争に終止符!従来 vs セルフメディケーション税制の医療費控除


年末が近づくにつれて、年末調整やら確定申告の話をするようになってきました。

この時期ぐらいには、医療費が今年は10万円超えそうだ、という予想がついてきます。

しかし、今年から導入された「セルフメディケーション税制」によって10万円以下の場合でも、控除が使えるようになりました。

そうなると、気になるのが「どちらが有利か」です。今回はその件について、考えてみます。

そもそも医療費控除ってなに?

まずは、医療費控除の制度について簡単に説明します。

「医療費が10万円を超えたら、税金が返ってくる」なんて、聞いたことがあるかもしれません。

その年の1月から12月までに、本人だけでなく家族にかかった医療費が10万円を超えると、税金が還付される制度、それが医療費控除です。

同居していなくても単身赴任のお父さん、仕送りを受けてひとり暮らし中の学生の子どもも含めることができます。

また、対象となる医療費は「治療のためのもの」に限定されます。予防ではいけません。

なので、インフルエンザの予防接種、薬局で買うビタミン剤などは認められません。

ちなみに、税理士の勉強を始めたばかりの私は、医療費を12万円使ったら2万円の還付を受けれると思っていました。

…そんなに還付は受けられません。

10万円を少し超えた程度なら、還付は数千円ぐらいといった感じです。

ただし、連動して住民税も安くなるため、面倒くさがらずに確定申告した方が良いでしょう。

 

いまさら聞けない「セルフメディケーション税制」

平成29年から、予防のための「一定の取組」をした場合には、特定の医薬品を買った金額についても医療費控除が認められるセルフメディケーション税制というものが始まりました。

「一定の取組」は、具体例としては以下のようなものです。

・健康診断

・定期予防接種(インフルエンザも含む)

・がん検診  など

医療費控除とは異なり、これらをしていることが適用を受けるための条件となります。

また、金額は12,000円を超えた部分から受けることができます。

毎月1,000円以上薬局で薬を買えば、還付を受けることができるため、10万円の医療費控除よりも適用のハードルは低くなっています。

ただし、どんな薬でもいいかと言われるとそうでもありません。

「一定のスイッチOTC医薬品」というものに限定されています。

薬の箱などにマークが書かれていますので、見てみてください。

レシートからも、対象か否かは判別可能です。今回は◆マークが書かれていました。

ちなみに、コッペパンにはこんなマークが貼られていました。

 

制度の比較

それでは、ここまでの制度を比較してみます。

従来 セルフメディケーション税制
要件 なし 一定の取組を受ける
対象医療費 治療目的の医療費 一定のスイッチOTC医薬品のみ
金額 10万円を超える部分 12,000円を超える部分

1.要件

従来の制度は、適用のための要件はありませんでしたが、セルフメディケーション税制は健康診断などの一定の取組を受ける必要があります。

さらに、これらの証明書(または領収書)を確定申告の際に添付する必要があるので、保管しておきましょう。

2.対象医療費

従来は治療目的、もう一方は予防目的となります。

従来の制度は、病院での診療代や薬代に加えて、通院のためのバス代なども含まれるため、セルフメディケーション税制よりも広範囲が対象となります。

3.金額

医療費が年間で10万円というのは案外、ハードルが高いものです。

私自身、数か月にわたっての歯医者への通院などで、夫婦合わせて7~8万円という年が何度かありました。

そういったケースでも、セルフメディケーション税制なら適用が受けられたかもしれません。

 

どちらが得なの?

結局のところ、どちらが得なんでしょうか。

両者の制度をみてきて、対象となる医療費も違いますし、適用できる金額も違います。

ですので、この質問の回答をするならば、単純な比較はできず、試算する以外には方法はありません。

とにもかくにも、一定の年収に限って試算してみました。

まずは、従来の医療費控除です。

タテが年収、ヨコが医療費を表し、表中の金額が還付金額(目安)となります。

次に、セルフメディケーション税制です。

還付金額(目安)は、従来の医療費控除の方が多いですが、支出額も多いので当然といえば当然です。

支出額と比べての還付額の割合は、セルフメディケーション税制の方が多いため、コスパ的な観点からは従来の制度よりも「お得」なのかもしれません。

 

まとめ

どちらがお得という観点で、病院に行く(従来の医療費控除)か薬局で対象の薬を買う(セルフメディケーション税制)かの判断をすることはないはずです。

そもそも両者の制度には違いがあり、年末にならなければ適用の可否の判断もできません。

大事なことは、試算を行うことで有利な選択を行うことです。

そのためにも、レシートや領収書を区別してしっかり保管しておきたいですね。

 

【編集後記】

先日、前職の同僚たちと飲みに行きました。

相変わらず忙しそうでしたが、充実もしていそうで刺激になりました。